2011年08月08日

ふくろうの学校に参加して

避難・疎開してきた方たちの意見をはじめて目の当たりにして、鹿児島に住む私たちは、原発事故のことは遠い場所の出来事で、あまりにも現実感・切実感がなかったと感じました。

そして、今回の震災や原発事故をきっかけにして、私たちが後世にどのような環境を残していけばよいのか、そのためには、様々な情報や思いを伝え続けていくことが大切なのではないかと思いました。

以下は当日の参加者の言葉です。

子供の将来のことを考えると、原発から少しでも離れた方がいいと考え、夫と相談し、疎開を決めた。夫は単身で故郷に残っている。

しかし、夫以外の親族・親戚は「(テレビで)政府や有識者は「安全」と言っているのに、疎開をするなんて神経質すぎるんじゃない?」と言ってくる。ママ友についても「疎開のことを話すと相手がパニックになるのではないか?親戚と同じような視線を私に向けられるのではないか?」と感じ、疎開のことを言わずに来た。

疎開することで親族や親戚の関係に亀裂が入るなんて想像もしていなかった。原発事故さえなければ、と頭では思うことがよくあるが、3.11の前には戻れないというのは身体で思い知った感がある。

私はまだ夫が理解してくれているので助かっているが、疎開や放射線の情報について、夫と意見が違う友だちもいて、大変だろうと感じる。

実際に、鹿児島に疎開して来てみると、友達がおらず、話し相手がいないため、ストレスのはけ口が限られる。

いつまでこの状態が続くのか、父親がいない状態での子供の生育は大丈夫か、自分の感情がとても不安定で子供に悪影響を及ぼさないか、など、毎日が不安である。

「疎開することが今できるベスト」だと納得しているつもりだが、どの情報が正しくてどの情報が正しくないのか、それを判断するのは自分、家族(夫)しかない。そして、この判断が正しかったのかどうかは、時間が経ってみないと分からない。自分を信じてよいのか、こころが揺れる時が多い。

私にとっては、被災した方から聞く初めての生の言葉でした。
そして、今回の問題は、福島・東北だけの問題ではなくて、日本全体/地球全体で考えていかねばならないと実感した初めての時でした。

このような機会に出席できて、久しぶりに人の深い思いに触れることができたような気がしました。ありがとうございました。

原田美佳子

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Posted by ワンダリングライフ研究会 at 01:20│Comments(0)活動報告
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